ヤマナシ
ナシ(和なし、日本なし)は、中国を原産とし中国や朝鮮半島、
日本の中部地方以南に自生する野生種ヤマナシ
(ニホンヤマナシ、P. pyrifolia var. pyrifolia )を基本種とする
栽培品種群のことである。高さ15メートルほどの落葉高木。
葉は長さ12cmほどの卵形で、縁に芒状の鋸歯がある。
花期は4月頃で、葉の展開とともに5枚の白い花弁からなる
花を付ける。8月下旬から11月頃にかけて、黄褐色または黄緑色でリンゴに似た
直径10〜18センチメートル程度の球形の果実がなり、食用とされる。
果肉は白色で、甘く果汁が多い。リンゴやカキと同様、尻の方が甘みが強く、
一方で芯の部分は酸味が強いためあまり美味しくない。
しゃりしゃりとした独特の食感がナシの特徴だが、
これは石細胞と呼ばれるものによる。
石細胞とは、ペントザンやリグニンという物質が果肉に蓄積することで
細胞壁が厚くなったものである。これは洋なしにも含まれるのだが、
和なしよりもその量が少ないために、和なしと洋なしとで食感に大きな差が生じる。
野生のもの(ヤマナシ)は直径が3〜8センチメートル程度と小さく、
果肉が硬く味も酸っぱいため、あまり食用には向かない。
ヤマナシは人里付近にしか自生しておらず、
後述のように本来日本になかった種が、
栽培されていたものが広まったと考えられている。
なお、日本に原生するナシ属にはヤマナシの他にも
イワテヤマナシ (Pyrus ussuriensis var. aromatica) 、
アオナシ(Pyrus ussuriensis var. hondoensis、
和なしのうち二十世紀など果皮が黄緑色のものを総称する
青梨とは異なることに注意) 、マメナシ (Pyrus calleryana) がある。
(Wikipediaより)